日本の伝統的な和食を伝え続ける京料亭の菊乃井と、柚子の名産地として知られる高知県北川村がコラボレーションした、香りと風味が豊かな調味料です。

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説明

四季折々の表現がなされる日本古来の文化として、世界無形文化遺産に登録された「和食」。その登録に向けて中心になって活動されたのが、京料亭「菊乃井」の主人、村田吉弘さんです。菊乃井は、大正元年(1912年)創業。京都の町並みを眺める東山、高台寺に隣接したところにあります。100年を超えて京料理を提供し続ける老舗の味は、「ミシュランガイド関西2016」で三ツ星を獲得するなど、今も多くの人々に愛されている名店です。

江戸時代から柚子を作り続けてる村と、世界遺産の和食を守るトップブランドのコラボレーション

そんな菊乃井をはじめとする伝統ある料亭にとって、柚子(ゆず)は欠かせない食材。初夏の花柚子や青柚子、秋から冬にかけて輝く黄柚子。独特の存在感で日本特有の四季を表現し、和食を構成しているのです。

この度、菊乃井主人・村田氏の発案で、柚子の加工品「しお柚子」を開発いたしました。しお柚子は、柚子を塩漬けにしたものに、柚子果汁とわずかなこま油を加えて仕上げました。魚料理はもちろん、肉料理にも、サラダのドレッシングとしても活用でき、柚子の用途が広がる万能調味料です。

製造を手掛けたのは、日本一の柚子の産地、高知県の東部にある北川村の加工会社「北川村ゆず王国」。北川村は、幕末の志士・中岡新太郎の生まれ故郷。海から離れた山深い村で、人々が食べつないでいくために柚子の栽培を推奨したと言われています。以来、村では、柚子を基幹産業として受け継いできました。

日本の伝統・和食を伝え続ける京料亭の菊乃井と、江戸時代から柚子を作りづづける北川村のコラボレーション。時代を超えて、国内はもちろん、世界に通用する柚子の調味料です。

日本で初めて柚子の玉を輸出した、北川村と北川村ゆず王国

高知県東部に位置する北川村は、人口1,365人。海から離れ、総面積の約95%を森林が占める山間の村です。年間降雨量は3,000〜4,000mmで、農産物の生産に適した気候といえます。柚子の栽培は、生産量全国1位を誇る高知県の中でもトップクラスで、村の半数以上が柚子の関連産業に従事している「柚子の村」です。

そんな北川村に2006年、「北川村ゆず王国」が誕生しました。産地に工場を構えることで鮮度のいい、香り高い柚子の加工品を製造することができます。2010年には、フランスへ柚子果汁を出荷。これをきっかけに、ヨーロッパで柚子の需要と生果玉への関心が高まったといわれています。以降、国や県の後押しもあり、北川村は2012年、日本で初めて柚子の生果玉を輸出することに成功。現在ではヨーロッパのみならず、アメリカ、アジア圏の商談会へ参加し、柚子加工品の販路を拡大しています。

一方で、村の柚子生産者は平均年齢70歳。今後、供給が縮小するのを防ぐため、村は柚子の就農支援の拡充に乗り出します。苗木の購入に補助金をあて、育成も指導。柚子栽培で生計を立てられる施策を打ち出し、新規就農者の獲得を目指します。