2017
29
Jun

Project幕末維新伝

夏休みに親子で学べる幕末維新特集展『黒船がやってきた!』が、高知城歴史博物館でスタート

大政奉還150年を迎えた今年、幕末から明治維新にかけて多くの志士を輩出した高知県で開幕した歴史観光博覧会「志国高知 幕末維新博」。そのメイン会場となっている高知県立高知城歴史博物館(高知市)で、6月24日(土)から親子を対象とした幕末・維新特集展『黒船がやってきた!』が始まりました。江戸時代末期の嘉永6年(1853年)、マシュー・ペリー提督率いるアメリカ海軍東インド艦隊の来航に始まる幕末史を、さまざまな資料と解説を交えて展示しています。

小学生でも分かる、大人も学べる幕末維新史

徳川幕府のもと約260年間に渡って続いた江戸時代。一部の国と地域を除いて外国との国交を持たなかった日本は幕末期、西欧列強のアジア進出が活発化したことで大きな変革を迫られました。諸外国の圧力に対抗するために、従来どおり幕府を中心として取り組むのか、新しい体制を築くのか、さまざまな思想や各藩の思惑も絡みながら、時代が動いていきます。黒船来航に始まり、明治政府が旧幕府勢力との内戦(戊辰戦争)を制するまで、わずか16年間。短い期間に猛烈なスピードで情勢が刻一刻と変わるため、「幕末はよく分からない」という方もいらっしゃることでしょう。

浦賀沖に現れたアメリカ軍の「ビンセント号」を描いたもの(19世紀)

黒船来航を報じた瓦版「異国船之図」(安政5年)。黒船の姿と海岸を守る大名の持ち場が掲載されている

ロシアからの来航船を描いた瓦版「亜魯西亜船(おろせあふね)」(19世紀)。幕府はロシアとも和親条約を結び、下田と箱館を開港した

そこで今回、高知城歴史博物館では「小学生でも分かる幕末維新史」をテーマに、親子で楽しめる企画展示を試みました。時代の大まかな流れをつかめるように、あえてポイントを絞り込んでダイナミックに展示。子どもたちが親しめるよう、同博物館のキャラクター「やまぴょん」がパネルに登場して分かりやすく解説しています。タブレットやスマートフォンを使った音声ガイドも用意。幕末から明治維新にかけて重要な役割を果たした土佐藩主・山内家の秘蔵書など、近代国家への足跡を記した貴重な資料を新たに展示しており、大人も十分楽しめる内容になっています。

高知城歴史博物館の特集展示フロア

高知城歴史博物館のキャラクター「やまぴょん」

“文明開化の音がする”日本の風景を描いた浮世絵、明治時代の小学生が読んでいた物語も展示

幕末の動乱を経て明治の時代になると、西洋のさまざまな文化が日本に入ってきました。今回の特集展示では、当時の風景を描いた浮世絵や肖像写真、小学生が修身(道徳)の教科書として読んでいた「イソップ物語」の翻訳本なども展示。全6巻・237話の中には「アリとキリギリス」「兎と亀」「北風と太陽」などが収録されています。

東京周辺の新名所を描いた浮世絵「東京名所三十六戯撰」(昇斎一景 画・明治5年)。この絵では数寄屋河岸、鎌倉河岸が描かれている

1886年にイタリアから来日したサーカス団の興行を描いた浮世絵「世界第一チャリネ大曲馬」(歌川政信 画・明治19年)

土佐藩の上級武士・樫井銘次郎の肖像写真。大阪・心斎橋の写真館で撮影されたもの

明治時代の小学生が教材として使っていたイソップ物語の翻訳本「通俗伊蘇普物語」

伊蘇普物語の「アリとキリギリス」に描かれた挿絵

幕末の志士・坂本龍馬が姉の乙女に宛てた書簡や、豊臣政権下で五大老を務めていた徳川家康が当時、掛川城主だった山内一豊に宛てた書状なども展示されています。

坂本龍馬書簡(元治元年6月 乙女宛) 小野小町や仁田忠常(正しくは新田義貞)の伝説や逸話を挙げて、時局を見極めた行動だったと説いた内容が書かれている

徳川家康書状(16世紀末・桃山時代 山内一豊宛) 家康は大坂から江戸に向かう途上で、掛川城主の一豊に馳走を受けた。そのときの礼をしたためたもの

今回ご紹介したもの以外にも、さまざま企画の展示が随時、行われています。夏休みの時期に、子どもたちの自由研究にもぴったりな幕末維新の特集展へ。親子で訪れてみてはいかがでしょうか。

文・写真:山下健二郎
取材協力:高知県、高知県立高知城歴史博物館


高知県立高知城歴史博物館

高知県高知市追手筋2-7-5
☎︎088-871-1600
http://www.kochi-johaku.jp